2017年9月23日、24日に富山県の北アルプス 剱岳・立山へテント泊登山をしてきました。
立山と言えば、立山黒部アルペンルートが通り、標高2450mの室堂までアクセスすることができ、気軽に山岳観光を楽しめるエリア。
立山信仰では立山は極楽浄土とされた一方で、剱岳は地獄とされており、2016年7月に白馬岳から見たたおやかな立山と荒々しい剱岳が信仰で伝えられていた通りの景色だったので、立山・剱岳に登りたくなりました。
できれば、縦走登山で立山・剱岳連続で登りたいと。
今回、1日目は剱岳、2日目は立山と巡ります。
剱岳は一般登山道最難関のルートと言われるだけあって、神経をすり減らしながら歩くルート。
でもそのルートを通して、剱岳の荒々しさや迫力をたっぷりと味わってきました。
剱岳・立山について
ルートについて
1日目は室堂から劒沢キャンプ場へ行き、そこから劒岳を目指すルート。
かねがね噂は聞いてましたが、神経をすり減らすような場面の連続、山頂に立つことができた喜びを噛みしめることよりも無事にテントに戻れるかの心配が上回りました。
特に危険に感じたのは前劒周辺、鎖場等はないものの、落石、浮石の多そうで、気の抜けないエリア。
コースタイムについて
1日目 行動時間 7時間50分
S室堂(08:40)(08:50)みくりが池~(09:20)雷鳥沢キャンプ場~(10:40)剱御前小舎~(11:10)剱沢キャンプ場(11:40)~(12:30)一服剱~(13:00)前剱~(13:30)平蔵の頭~(14:00)剱岳(14:20)~(15:30)前劔の門~(16:20)一服剱~(17:20)剱澤小屋泊
詳しいルート詳細はこちらから。
1日目 9月23日 岩と雪の殿堂 剱岳へ。
6:30 富山県立山駅に到着。
前夜に名古屋発富山行の夜行バスに乗り、富山市内の漫画喫茶で4時間ほど仮眠。
始発の富山駅発立山駅行の列車でここまでやって来ることができました。(ただ富山駅~室堂往復7400円は懐が痛い。)
さっそく室堂までのチケットを購入し、第二陣の臨時便に乗り込む。
立山ケーブルカーで美女平駅へ、美女平駅からは高原バスで室堂へ。
紅葉に色づく阿弥陀ヶ原の景色を見ていると、立山周辺は紅葉が見頃かもしれないという期待が湧く。
ただ晴天予報だった天気が曇りどころか雨が降り出しそうな天候なのが心配。
8時ごろに室堂に到着し、登山届の提出、ザックのレインカバーなどの準備をし、白エビかき揚げそばをいただく。
GPVで天候を確認していると、これから天候が回復し、14時ごろには剱岳周辺が晴れそうな予報。
今日は室堂から別山乗越を越え、剣沢キャンプ場でテントを設営、そこから剱岳へ往復するルート。
見事に真っ白な景色。
今日の飲み水を確保して、雷鳥沢方面へ。
8月下旬に5泊6日南アルプス南部縦走、9月三連休は台風で剱岳・立山縦走計画は延期。
1か月ぶりにやってきた山はすっかり秋らしく黄色や赤の暖色系に色づいた景色に目を奪われる。
登山を始めて3年目、今年も春、夏と山を楽しんできたけれど、秋の山もたまらなく好きだということを実感した瞬間でもあった。
有名な雷鳥沢キャンプ場、少し歩けば温泉にも入れるし、ここでのんびりして、日中は立山っ三山も楽しめる泊まってみたいテント場。
ただ今回は剱岳へ登るため、お預け。
別山乗越の登りで振り返ってみると色づき始めた雷鳥沢、室堂方面が見える。
紅葉のピークまでにはもう1~2週間ってところだけど、ここで晴れた時にはどんな景色が見えるんだろうと想像するとワクワクする。
別山乗越の頂上、剣御前小屋に到着。
ガスっていたこともあり、タンタンと登り続け、1時間20分と予想より早く到着することができた。
あとはキャンプ場まで下るのみ。
劒沢キャンプ場で受付を済ませ、テントを設営。
周りの様子を見ていると、今日はここで待機する人も多そう。
GPVの予報で午後2時ごろには晴れるという予報を信じ、剱岳を目指すことにします。
一服劒でようやく青空も見えてきて、目の前には黄緑色に染まりつつある前劒がドォーンと構えている。
一眼レフで先行者を確認していると信じられないところを歩いていくルートだ。
前劒の登りは浮石も多く、落石もありそうなルート。
帰りでは、鎖場が終わってもこの下りだと神経を使わないといけないし、気が抜けなさそう。
ここまで恐怖を感じることがなかったけれど、5番鎖のトラバースで初めて恐怖を感じた。
鎖を頼りにしつつ、一歩ずつ慎重に進む。
7番平蔵の頭ではこんな足場を頼りに登っていくことにちょっとびっくり。
悪名高いカニのタテバイ、20m近い高さを鎖や岩を頼りに登っていく。
今日の午後に別山尾根ルートを歩いている人は5~6組ほどしかおらず、渋滞もなく、三点支持を意識し、確実に登っていく。
岩山は上からの落石も怖いし、自身が落石を起こさないように気を使わないといけないので、少し気が楽だった。
天気予報通り、青空が広がり始める。
山頂は思ったよりも広く、切り立った岩場になっているかと思ってたけど、ゴロゴロした岩が転がっていた。
標高2999m 剱岳に登頂!!
岩と雪の殿堂と呼ばれる剱岳の山頂に立つことができました、標高に関して2999mと、3000mの大台まであと1m足りないというところも逆に印象的に感じる。
帰りのカニのヨコバイ、前劒の下りを考えると、まだまだ気が抜けない。
剱岳北方稜線は雲の中、八ッ峰や三の窓など仙人池から眺めたいな。
立山三山にかかっている雲ももうすぐ消えていきそう。
明日の立山三山は青空のもと歩けるといいな。
おにぎりを食べ、水分を取り、劒沢キャンプ場へ戻ろう。
帰りルートで悪名高いカニのヨコバイ。
パッと見でトラバースする岩のくぼみが見えないので、どこに足を置いていけばいいのか分かりにくいといわれてる場所。
でも2枚目の写真の右手のように赤ペンキで足場が上からでも分かりやすく、スムーズに進むことができた。
前劒岳頂上まで帰ってきた。
鎖場もこのあたりでほぼ終わりだけれど、浮石も多いここからの下りはまだ気の抜けない区間。
ただここ下りきっても、一服劒の登り返し、キャンプ場と2回の登り返しがあるんだよな、はぁ~
劒沢小屋で登山バッジを購入していたこともあったけど、テントに帰ってきたのは17時20分。
神経すり減らし続けるルートだったこともあり、疲れがドッと押し寄せてくる。
劒岳へのルートでご一緒になった方とテントも近くだったので、夕焼けの剱岳を眺めながら乾杯!!
改めてその山容を見ても、とんでもないところを登ってきたんだと感じる、特に山頂の剱岳の1つ左のピーク 前劒あたり。
当分、剱岳は眺めるだけの山でいいかな。
満天 劒沢キャンプ場の星空。
夜には星空も見えてきて、明日の天気も良さそうな気がしてきた。
明日の朝に目の前に剱岳の全景が拝めるように祈りながら、おやすみなさい。
まとめ
剱岳は神経をすり減らすような場面の連続だったものの、天候、人の少なさにも恵まれ、いいコンディションの中で山頂へ立つことができました。
個人的に危険に感じたのは前劒の登り下り。
鎖場や岩場等は誰もが集中してるから事故は起こりにくそうだけれど、前劒は落石、浮石も多く場所。
帰りには、鎖場から解放された後に通る場所で、思わず気を抜いてしまいそうになる。
今回の剱岳で登ることには満足したので、仙人池からの裏劒など次は剱岳を眺めることを楽しみたいものです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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